成功する人としない人
鎌倉時代、中国から仏法を日本に伝えた曹洞宗の開祖である道元。
その道元禅師と弟子の会話。
弟子『人間は皆仏性を持っているのに、なぜ成功する人としない人がいるのでしょうか?』
道元『成功する人間は努力する。成功しない人間は努力しない。その差だ。』
弟子『仏性のある人間に、どうして努力する人としない人がいるのでしょうか?』
道元『努力する人間には志がある。努力しない人間には志がない。その差だ。』
弟子『仏性のある人間に、どうして志のある人とない人がいるのでしょうか?』
道元『志のある人間は、人間は必ず死ぬということを知っている。志のない人は、
人間が必ず死ぬということを本当の意味でしらない。その差だ。』
(福井県にある永平寺)
以下、「正法眼蔵随聞記」より
志の至らざることは、無常を思わざる故なり。念々に死去す。畢竟じて且くも留まらず。
暫く存ぜる間、時光を空しくすごすことなかれ
(志が切実でないのは、無常を思わないからだ。人は刻々と死につつある。
こうして生きている時間を大切にして、自分を磨いていかなければならない)
コロナ禍により日常が変わり、あらゆる価値観に変化が生じています。
時間は有限。私たちは、毎日、一歩一歩死に近づいている。
変化の激しい時、自分の志を改めて見つめ直し、「生きる」を考える
時間を持つことも大事だと思います。