警戒

29日、外国為替市場で、ドルが対円で一時1ドル=160円台を付け、
1990年以来34年ぶりの歴史的な円安が進んでいます。

円は今年に入り11%近い下落となっています。
160円台を付けた後、円相場が5円ほど急速に円高が進んだことから、
政府・日銀による為替介入があったとみられています。
 
では、なぜこれほどまでに円が弱いのでしょうか?
その一番の原因は、日米の金利差にあると言われています。
日本が政策金利を0~0.1%に維持する一方で、米国の金利目標が
5.25~5.5%であり、大きな金利格差が生じているためです。
この金利格差が、円キャリ―取引を誘発し、歴史的な相場水準を生んで
います。
 
(円キャリ―取引)
 低金利の円を市場で借りて、高金利通貨で運用することで
 金利差収益を稼ぐ取引。
 
 
 
円安は、日本経済にとって、良い面と、悪い面があります。
良い面は、グローバルに事業を展開する日本の大手企業にとっては、
業績にプラスとなります。
また、訪日観光客数が増えることで、観光業界にとってもプラス効果
があります。
一方、悪い面は、エネルギーや食料品の輸入価格が上昇するため、
家計の負担が増えることになります。
 
コロナ渦に、世界中でバラ撒かれたジャブジャブマネーは、行き場を失い、
彷徨い、
一度動き出せば、大きなうねりとなって市場を襲います。
2008年のリーマンショックの時もそうでした。
キャリー取引の強烈な円買いの巻き戻しが、市場の混乱を生みました。
金融市場は、そろそろ警戒が必要な時期かもしれません。


 

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