一隅を照らす
お盆も過ぎて、少し暑さも和らぎ過ごしやすくなってきました。
しかし、今年の夏は本当に「異常気象」の連続でした。
・西日本を中心に甚大な被害を出した「平成最悪の豪雨災害」
・全国各地で40℃の猛暑が続いた「観測史上類を見ない猛暑」
・東から西へ向かう台風12号「観測史上初の異例ルート」
これらの異常気象の原因としては、地球温暖化による影響が大きい
とされています。「これまでに経験したことのないような・・・」
災害が今後も起きるのでしょう。災害への備えが大事ですね。
先日、ニュースを見ていたら、行方不明の2歳児を発見した
スーパーボランティアの尾畠春夫(78歳)が特集されていました。
「今の自分のあるのは周囲のおかげ、社会に貢献した」という尾畠さん
の言葉に感動するともに、ひとつの言葉を思い出しました。
夏の終わりに。
『一隅を照らす』
「国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり、道心有るの人を名づけて国宝となす。
故に古人言わく、径寸十枚是れ国宝に非ず、一隅を照らす此れ即ち国宝なり」
即ち、国宝とは国家の宝物、立派な正しい人間のこと。宝とは道心即ち菩薩心。
道を極め、道を求め、さらなる道を求め努める人が国の宝である。
今、あなたがいるその場面で、あなたが光れば、その光は前にも後ろにも横にも広
がり、美しく大きな光となりこの世を照らす。そしてこの世で、なくてはならない人に。
あなただからこそ輝くことができ、あなたがいるから生きられる。あなたのお陰で生
かしていただける。だから今、自分に与えられたこの場所で(仕事、学校、家庭)で
自分の持てる力で精一杯努める。そういう心が道心です。
自分本位な勝手な生き方ではなく、自分のことは後にして他の人の為に尽くすこと
が大切なのです。これが一隅を照らす此れ即ち国宝なりなのです。
(「小川文甫住職のコラム」より抜粋)